韓国ノーベル賞の全真相|ハンガン快挙の衝撃と自然科学の壁を追う
ノーベル賞の前哨戦とされる「クラリベイト引用栄誉賞」(論文の被引用数が世界トップ0.1%に入る研究者に贈られる賞)には、すでに複数の韓国人科学者が名を連ねており、ストックホルムからの吉報を待つ体制は整いつつあります。
筆頭候補として世界的に知られるのが、ソウル大学特別教授の玄澤煥(ヒョン・テクファン)氏です。ヒョン教授は、均一なナノ粒子を大量合成する「昇温法(熱分解法)」を開発し、現在のQLED(量子ドットディスプレイ)テレビやナノ医療診断技術の基盤を築いた化学分野の世界的権威です。
また、次世代太陽電池として注目を集めるペロブスカイト太陽電池の実用化研究で世界をリードする成均館大学の朴南圭(パク・ナムギュ)教授も、化学賞の有力候補として毎年名前が挙がります。さらに、生体内のマイクロRNA(miRNA)生成メカニズムを解明したソウル大学の金光洙(キム・ビンナリー)教授は、医学生理学賞の有力候補として国際的な栄誉を複数受賞しています。
韓国政府も過去の反省を踏まえ、2011年にドイツのマックス・プランク研究所をモデルとした基礎科学研究院(IBS)を設立しました。研究リーダーに年数十億ウォン規模の予算を10年単位で無審査に近い形で委託する「ブロックグラント(包括的助成方式)」を導入し、短期的な業績追及を排除した長期研究支援への舵切りを進めています。