マエケン広島復帰はなぜ幻に?楽天電撃入団の真相とカープ愛の行方
ファンがこれほどまでに広島復帰を信じて疑わなかった背景には、前田健太本人が公の場で発信し続けてきた言葉の数々がある。自身のSNS(X・Instagram)やオフシーズンの特番出演時、前田は一貫して「カープへの感謝」「いつか恩返しをしたい」という意向をオープンにしてきた。広島退団時にも球団への愛着を強く語り、マツダスタジアムのファンに対するリスペクトを欠かしたことはない。
さらにファンの期待を煽ったのが「カープの背番号18」の扱いだ。前田がメジャーへ移籍して以降、広島の18番は長らく特別な番号として重用され、エースの系譜を継ぐ空席としてファンの脳裏に刻まれていた。2015年に黒田博樹投手がニューヨーク・ヤンキースの巨額オファーを蹴って古巣・広島へ復帰し、男気ブームを巻き起こした成功体験が、ファンの胸中に「マエケンも同じように帰ってくるはずだ」という強固な固定観念を植え付けていた。
しかし、黒田の復帰は日米球界の歴史においても奇跡的な例外である。黒田のケースは球団側の熱烈な複数年にわたる復帰要請と本人の引き際に対する独自の哲学が完璧に合致したものであり、選手側の好意やファンの願望だけで再現できるものではなかった。