株式会社Yutori急成長の真相|株価・評判と9090の裏側を徹底解剖
株式会社yutoriを語る上で外せないのが、創業者であり代表取締役社長を務める片石貴展(かたいし・たかのり)氏の特異なキャリアと思想です。
1993年生まれの片石氏は、明治大学を卒業後、モバイルゲームやコミュニティサービスを展開する株式会社アカツキに入社。ITスタートアップの最前線でデジタルマーケティングや組織カルチャーの構築を学んだ後、2018年4月に24歳でyutoriを創業しました。ファッション業界の出身ではない「外参者」であったからこそ、既存の百貨店販路やコレクション至上主義にとらわれないデジタル主導の組織を構築できたと言えます。
片石氏は過去のインタビューや公式発信の場において、「単なる服屋を作りたいわけではない。音楽やアートを含めたユースカルチャーの発信拠点としての“ストリートカンパニー”を築く」と公言してきました。そこにあるのは、論理的なデータドリブン経営と、若者のエモーショナルな衝動という対極の要素を高度に融合させるプロデュース能力です。
では、なぜアパレル系D2Cベンチャーとしては異例のスピードで東証グロース市場への上場を決断したのでしょうか。開示資料や当時の関係者証言によると、上場理由には明確な3つの狙いがありました。
- アジア全域へのグローバル展開の加速:東京発のストリートカルチャーを韓国、台湾、中国などアジア市場へ本格輸出し、現地でのブランド認知と出店を進めるための資金力と社会的信用力の確保。
- M&A(企業買収)の推進:個人クリエイターや有望な小規模アパレルブランドを迅速に傘下へ迎え入れ、自社のプラットフォーム上で急成長させるための資本基盤の強化。
- クリエイターと若手人材の社会的地位向上:「若者の趣味の延長」と見なされがちだったストリートカルチャーやSNS発ビジネスを公器たる上場企業へと昇華させ、次世代の才能が集まるエコシステムを証明すること。