八百長力士一覧と処分の全貌|大相撲を揺るがした追放劇と関取たちの現在
大相撲八百長問題が白日の下に晒された直接の端緒は、2010年に角界を揺るがした「野球賭博問題」に対する警察捜査でした。警視庁が賭博関与の容疑で押収した力士・親方の携帯電話をデジタルフォレンジック技術によって解析したところ、削除されていた過去の送受信メールから、金銭を対価とした取組の勝敗操作を示す生々しいやり取りが次々と復元されたのです。
2011年2月2日、警察庁から文部科学省を通じて日本相撲協会へ通知されたメールデータには、春日錦(当時竹縄親方)、千代白鵬、恵那桜(当時押尾川親方)らによる「立ち合い強く当たってから引いてほしい」「星を回してほしい」「〇〇万円で頼む」といった露骨な文面が日時や金額とともに克明に記録されていました。それまで「土俵上で全力を尽くしている」と信じて疑わなかった相撲ファンや関係者に走った衝撃は計り知れません。
放駒理事長(元大関・魁傑)率いる日本相撲協会は、直ちに外部有識者を中心とする特別調査委員会(座長:伊藤滋・早稲田大学名誉教授)を設置しました。調査委員会による徹底した事情聴取が進められる中、2011年3月の大相撲春場所は、本場所としては1946年の旧両国国技館改修遅延に伴う夏場所中止以来、実に65年ぶり、そして「不祥事による開催中止」としては相撲協会の歴史上初となる開催見送りに追い込まれました。