鎖編みの裏山はどこ?仕上がりが劇的に美しくなる見分け方&拾うコツ徹底解説
「編み図には裏山を拾うとあるけれど、半目だけ拾うほうが針も通しやすくて楽ではないか」と疑問を抱く方も多いはずです。しかし、プロの作家や指導者が口を揃えて裏山推奨を指定するのには、視覚的・構造的な明確な理由が存在します。
裏山をすくう決定的なメリットは、「編み始めの裾(作り目の端)に、綺麗な鎖のV字が完全にそのまま残る」という点に集約されます。裏山を拾って細編みなどを編み進めると、鎖を構成していた残りの2本(上側の半目と下側の半目)が最下部に押し出され、編み終わりの縁編みとまったく同じ「鎖の目」が裾に現れます。これにより、作品の上下で縁の見た目が完全に一致し、既製品のような端正な仕上がりを生み出すことが可能になります。
さらに見逃せないのが、後から縁編みを編みつける際や、パーツ同士をとじはぎする際の作業効率です。裾にしっかりとした2本取りの鎖目が残っているため、次の工程で目を拾う位置に一切迷いがなくなります。対照的に、半目だけをすくって編み始めると、残った糸が細く伸びて不揃いな穴が空いてしまい、重力で引っ張られた際に裾が波打つ原因となるのです。