クレヨンしんちゃん焼肉映画の真相!ヤキニクロードが最高傑作の理由
野原一家を絶体絶命の窮地に追い込んだ謎の秘密組織「スウィートボーイズ」。彼らが国家権力や警察をも動かし、莫大な予算とハイテク装備を投入してまで野原一家を追跡した目的は何だったのでしょうか。この敵の目的について、公開当時は「国家転覆を狙うテロ組織」「新兵器の実験」といった重厚なサスペンスを予想する観客も少なくありませんでした。
しかし明かされた真相は、クレヨンしんちゃん映画史上屈指の脱力感を誇るものでした。ボスの目的は、熱海本部にある催眠増幅装置「ボイス・トランス・アイデンティティ(通称:VTI)」を起動し、熱海の人々を催眠にかけて自分の思い通りに動かすことでした。そして、その生体認証キーとして登録されていたのが、偶然にもしんのすけの声紋データだったのです。
さらに特筆すべきは、ゲスト声優と個性派キャラクターのキャスティングです。当時トップアイドルとして絶大な人気を誇っていた華原朋美氏が本人役で登場し、主題歌も担当した一方、敵幹部として登場する下着愛好家の堂ヶ島少佐や、ひろしを熱烈に愛してしまうヒッチハイクのトラック運転手など、強烈なアクの強さを持つキャラクターが次々と投入されました。世界平和という大義名分を掲げず、どこまでも個人的でくだらない欲望のために巨悪と対峙する構図は、本作のコメディとしての完成度を極限まで押し上げています。