シニアカーの時速はなぜ最高6Km?法律の真相と体感速度を徹底解説
シニアカー(電動車いす)のスピードが最高時速6kmに制限されている背景には、日本の道路交通法に基づく明確な法的位置づけが存在します。道路交通法第2条第1項第11号の3および道路交通法施行規則第1条の4において、原動機を用いる身体障害者用の車(シニアカーを含む)は、一定の構造要件を満たすことで「歩行者」とみなす規定が設けられています。
その必須要件の筆頭に挙げられているのが、「最高速度が時速6キロメートルを超えないこと」です。この基準を満たしているからこそ、シニアカーは運転免許が不要であり、車道ではなく歩道を通行する権利が認められています。
警察庁や関係省庁の検討資料によると、時速6kmという数値は「成人が少し急ぎ足で歩く速度(時速4〜5km)」や「軽い小走り(時速6km程度)」を基準に算出されています。もし時速10kmや15kmといった速度を許容した場合、歩道上で他の歩行者と接触した際の衝撃エネルギーが跳ね上がり、制動距離(ブレーキをかけてから停止するまでの距離)も大幅に伸びてしまいます。歩行者空間の安全性を維持しながら、移動が不自由な高齢者の移動権を保障するギリギリの調和点が「時速6km」という設定なのです。