石垣島のクセ強酒が世界を呑み込む。「白百合」が巻き起こすクラフト泡盛狂騒曲【2026年最新ルポ】
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時代の波に洗われ、多くの酒蔵がオートメーション化へ舵を切るなか、池原酒造の手仕事は異様なまでに頑固だ。すべての工程において人間の五感が優先される。米に麹菌を付着させる作業も、職人が素手で温度と湿度を感じ取りながら丹念に揉み込んでいく。大量生産とは無縁の世界だ。
さらに特筆すべきは、今や絶滅危具種とも言える「直火蒸留」へのこだわりである。ボイラーの蒸気を間接的に当てる現代的な手法ではなく、釜の底から直接炎で加熱する。焦げ付くリスクと背中合わせのこの技法が、白百合特有の香ばしさと重厚なコク、そして香りの「骨格」を形作っている。機械化すれば効率は跳ね上がるだろう。しかし、それでは白百合ではなくなってしまう。手間を惜しまない泥臭い職人魂が、ボトルの一滴一滴に宿っている。