高山隆: 天才生化学者が解き明かした生命の神秘と科学界への遺産

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1970年代後半、生命科学の世界はDNAとタンパク質の研究が主流だった。その時代に高山隆が選んだのは、まだ多くの謎に包まれていた糖鎖の研究だった。細胞表面を覆う複雑な糖の鎖。当時の技術では解析が困難とされていた分野だ。

なぜ糖鎖なのか。高山はこう語っていた。「タンパク質の多くは糖鎖で修飾されている。その糖鎖が細胞の顔であり、細胞同士が会話する言語なのだ」と。この洞察が正しかったことは、後の研究成果が証明することになる。

糖鎖生物学研究室の顕微鏡

糖鎖は単なる構造物ではない。免疫細胞の認識、ウイルスの感染、がん細胞の転移。生命現象の根幹に糖鎖が関与していることを、高山は一つひとつ実証していった。特に彼が注目したのはシアル酸と呼ばれる糖の一種だった。

シアル酸転移酵素の発見と機能解明

1980年代初頭、高山研究室はシアル酸をタンパク質に結合させる酵素、シアル酸転移酵素の精製に成功した。これは世界的にも先駆的な業績だった。この酵素ファミリーには20種類以上のメンバーが存在し、それぞれが異なる結合様式でシアル酸を付加する。

高山のチームは各酵素の遺伝子をクローニングし、その発現パターンと機能を詳細に調べた。結果は驚くべきものだった。がん細胞では特定のシアル酸転移酵素が異常に活性化しており、それが転移能力の獲得と直接関連していたのだ。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。