新海誠作品の「エロティシズム」真相:フェティシズムと演出の裏側
新海誠のフェティシズム表現が最も凝縮された一作として、2013年公開の『言の葉の庭』が挙げられる。靴職人を目指す高校生と、心に傷を負った年上女性の交流を描いた本作では、女性の足型をとるシーンや雨の東屋で交わされる視線に極めて濃厚な官能美が宿る。
水滴が素肌を伝う描写や、足指の微小な動きに至るまで妥協なく描き込まれた画面構成。そこには、言葉にできない感情の揺らぎを身体の一部によって代弁させる巧みな演出がある。美しさと危うさが同居するこの作風こそ、新海表現の骨子と言える。