火花の芥川賞はやらせ?又吉直樹の受賞理由と出来レース疑惑の真相
なぜ『火花』の芥川賞受賞には「やらせ」や「出来レース」という噂がつきまとったのでしょうか。最大の要因は、お笑い芸人という著名人の肩書と、受賞前から過熱していたメディア報道にあります。
『火花』は雑誌『文學界』2015年2月号に掲載された初出の段階から大きな話題を呼び、文芸誌としては異例となる初版1万部に加えて4万部以上の緊急増刷を記録しました。さらに単行本化の時点ですでにベストセラーの兆候を見せていたため、ネット上や一部の週刊誌では「芥川賞を主催する日本文学振興会および文藝春秋が、話題性と売上欲しさに又吉氏を受賞させるシナリオを描いているのではないか」という商業主義批判が噴出することになりました。
加えて、当時の出版業界は紙の出版不況が深刻化していた時期でもありました。「話題のタレント本に権威ある純文学賞を与えて業界を盛り上げようとしている」という穿った見方が、ネットの反応を中心に拡散されたことが「やらせ疑惑」の根底にあります。