サッカー日本代表歴代監督の真実!勝率ランキングと解任劇の舞台裏
ドイツの失意を経て、日本代表は「日本人の俊敏性と勤勉性を最大限に活かす戦術モデル」の模索に入ります。そこには、知将たちが遺した言葉と、世界のメガトレンドとの間隙で苦悶した指揮官たちのドラマがありました。
イビチャ・オシムが遺した「考えて走るサッカー」と名言の重み
2006年に就任した旧ユーゴスラビアの名将イビチャ・オシムは、「走ること」「考えること」を同時に要求するインテンシティの高いフットボールを提示しました。「選手を枠にはめるのではなく、ピッチ上でポリバレント(多機能)に判断させる」という哲学は、日本人のメンタリティに合致した究極の理想形と称賛されました。
「限界には限界はない」「水を運ぶ人がいなければ、どんな美しいピアノも弾けない」といったオシム語録は、戦術論を超えて組織論の本質を射抜いていました。2007年秋、道半ばでの脳梗塞という悲劇により指揮権の返上を余儀なくされましたが、その思想的DNAは後任の岡田武史(第2期)へと引き継がれ、2010年南アフリカW杯での「アンカー阿部勇樹の配置と徹底したリアクションカウンター」によるベスト16進出の遠因となりました。
アルベルト・ザッケローニのアジア杯制覇と「自分たちのサッカー」の功罪
2010年秋、セリエA屈指の戦術家アルベルト・ザッケローニが就任すると、チームは本田圭佑、香川真司、岡崎慎司、長友佑都ら欧州主要クラブで主力を張るタレントを擁し、黄金期を迎えます。2011年カタールアジアカップでの李忠成の決勝ボレーによる優勝、2013年コンフェデレーションズカップでのイタリアとの壮絶な打ち合い(3-4)など、日本が主導権を握るアタッキングフットボールは完成の極みに達したかに見えました。
だが、2014年ブラジルW杯において、「自分たちのサッカー」というスローガンは呪縛へと変わります。コートジボワールのフィジカルとコロンビアの老獪なカウンターの前に組織は瓦解。ボールポゼッションを高めながらもゴール前の決定打を欠き、1分2敗でグループステージ敗退。「主導権を握る理想」と「勝負に徹する現実」の乖離を痛感させられる結果となりました。
西野朗が指揮したロシアW杯ベスト16の舞台裏と冷徹な決断
2018年ロシアW杯のわずか2カ月前、ハリルホジッチ解任を受けて急遽火中の栗を拾った西野朗監督は、極めて現実的なリーダーシップを発揮しました。長谷部誠や本田圭佑らベテラン勢の対話力を尊重してチームの一体感を即座に修復し、初戦コロンビア戦で金星(2-1)を挙げます。
特筆すべきは第3戦ポーランド戦での「他力本願のパス回し」です。警告数差によるフェアプレーポイントでの突破を見越し、0-1で負けている状況下で終盤10分間にわたりボール回しを指示。世界中から大ブーイングを浴びながらも、冷徹に決勝トーナメント進出を掴み取りました。ラウンド16のベルギー戦では2点を先行しながらも、ロスタイムの高速カウンターにより2-3で屈したものの、西野の手腕は日本的リアリズムの極致として高く評価されています。