数の子は何の卵?名前の由来とおせちの縁起・失敗しない塩抜きまで徹底解説

数の子は何の卵?名前の由来とおせちの縁起・失敗しない塩抜きまで徹底解説とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

数の子の親魚は、冷水域を回遊する冷水性魚類のニシン(鰊/鯡、学名:Clupea pallasii)です。春先に産卵のために北海道沿岸へ大群で押し寄せ、海を白濁させる「群来(くき)」という現象で知られる日本海・太平洋北部の重要水産資源です。

親魚がニシンであるにもかかわらず「数の子」と呼ばれる背景には、日本の言語史と地域文化が深く関係しています。かつて北海道や東北地方北部において、ニシンは古語で「カド(カドイワシ)」と呼ばれていました。この「カドの卵(子)」を指して「カドの子」と呼んでいたものが、音韻変化によって「カズノコ」へと訛っていったことが定説とされています。

さらに、1腹の中に数万〜十数万粒もの微細な卵が隙間なく密集している特徴から、「無数の子が存在する縁起の良い食材」として「数の子」という漢字が充てられ、室町時代から江戸時代にかけて全国へと定着しました。室町幕府の第13代将軍・足利義輝に献上された記録や、江戸中期の料理書にもその名が記されており、単なる魚卵の呼称を超えた文化的な名称として今日まで受け継がれています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。