由加山蓮台寺の厄除けと両参り完全ガイド!ご利益と歴史の真相
由加山を語る上で欠かせないのが、香川県琴平町に鎮座する金刀比羅宮との「両参り(両まいり)」という習俗です。江戸時代の中期から後期にかけて、庶民の間で爆発的な流行を見せた参詣スタイルであり、「由加山と金毘羅の片方だけを参拝するのは『片参り』となり、ご利益が半減してしまう」と信じられてきました。
この両参りが定着した背景には、信仰構造と瀬戸内海の地理的条件の双方が深く関わっています。
- 信仰の相補性:金刀比羅宮が「海上安全・福徳開運」の象徴であるのに対し、由加山蓮台寺は「厄除消除・現世安穏」の象徴です。厄を祓い清めたまっさらな心身に、豊かな福徳を迎え入れるという、心理的・霊的な相乗効果が意図されています。
- 瀬戸内海交通の結節点:岡山側の由加山(児島)と讃岐側の金刀比羅宮(丸亀・多度津港)は、瀬戸内海を挟んで一直線上に位置しています。江戸時代の旅人は、本州側から児島を経て船で讃岐へ渡り、両霊場を一気に巡る効率的な巡礼ルートを確立していました。
現代においても、瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)の開通により、車を使えば約1時間強で双方を移動できます。厄年を迎えた節目や、人生の重大な転機において「運命の流れを根本から好転させたい」と願う人々が、今なおこの伝統的な両参りを実践しています。