『いるのいないの』なぜトラウマに?ラストの意味とおばあちゃんの正体

『いるのいないの』なぜトラウマに?ラストの意味とおばあちゃんの正体について重要なポイントを解説いたします。最新の情報をお届けします。

ネット上の情報やSNSのまとめでは、本作に関して幾つかの誤解や誇張された噂が散見されます。正しく作品を味わうために、知っておくべき事実を整理します。

まず誤解されがちなのが、「本作は子どもを本気で怖がらせて泣かせるためだけの悪趣味な企画なのか」という点です。企画・監修を務めた文芸評論家の東雅夫氏や岩崎書店編集部は、「幼少期に質の高い本物の恐怖や怪異に触れることは、生と死、未知への畏怖を学ぶ情操教育の一環である」という明確な理念のもとに本シリーズを立ち上げています。単なる悪ふざけではなく、一流の文学者と画家が本気で「死生観や異界への扉」を表現した芸術作品です。

もう一つの盲点は、「ラストに登場する怪異は特定の幽霊なのか」という疑問です。作中ではこの存在が幽霊なのか、妖怪なのか、あるいは屋敷神の成れの果てなのかは一切明言されていません。京極夏彦氏の妖怪文学の根底にある「名前のない現象に名前がついたとき妖怪になる」という思想の通り、名付けられない異形だからこそ、読者それぞれの心の暗闇を映し出す鏡として機能しています。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。