網膜光凝固術の手術は痛い?失明防ぐ効果・費用相場と術後のリアル
網膜光凝固術(もうまくひかりぎょうこじゅつ)とは、特定の波長を持つ医療用レーザーを眼底の網膜に照射し、熱凝固を起こさせることで病変の進行を抑える眼科手術です。日本眼科学会のガイドラインや臨床現場のデータが示す通り、この手術が選択される疾患は主に以下の3つに大別されます。
第1に、網膜剥離の予防を目的とした網膜裂孔への照射です。網膜に穴や裂け目ができた初期段階で、その周囲をレーザーで焼き固めて糊付け(凝固)することにより、網膜の裏側に水分が入り込んで網膜全体が剥がれ落ちる事態を未然に防ぎます。
第2に、糖尿病網膜症に対するレーザー治療です。高血糖によって網膜の微小血管が詰まり、酸素不足に陥った領域(無血管領域)をレーザーで凝固させます。酸素を求めて異常な「新生血管」が発生するのを防ぎ、大出血や失明の連鎖を断ち切るために不可欠な処置です。
第3に、網膜静脈閉塞症に伴う網膜光凝固術です。網膜の静脈が詰まって出血やむくみ(黄斑浮腫)が生じた際、血液循環が途絶えた部分を凝固して再出血や新生血管緑内障への移行を阻止します。いずれの場合も「今見えている視覚を維持し、失明を回避する」ことが治療の最大の目標です。