プリンセスプリンセス『M』歌詞の真相|実話モデルと作詞秘話の全貌
『M』の核心にあるのは、装飾されたフィクションではなく、作詞を担当したドラマー・富田京子の赤裸々な失恋の実話です。当時の手記や特番インタビューにおいて、彼女自身がその壮絶な制作過程を明かしています。
当時、富田京子は交際していた恋人と別れたばかりで、精神的に深い失意の底にありました。そのやり場のない感情をぶつけるように、ノートへ一気に書き殴ったのが『M』の原型となる歌詞でした。しかし、その歌詞を読んだ作曲担当の奥居香(現・岸谷香)の最初の反応は芳しいものではありませんでした。
「あまりに暗すぎる」「重すぎてポップスとして歌えない」――盟友である奥居からの容赦ないダメ出しにショックを受けた富田は、傷心と苛立ちから歌詞ノートをビリビリに破り、スタジオのゴミ箱に投げ捨ててしまいました。しかし、奥居はその感情の生々しさとメロディの親和性を決して見捨ててはいませんでした。スタッフがゴミ箱から回収した破片をテープで貼り合わせ、「メロディに乗る言葉」へとブラッシュアップを重ねることで、奇跡の名曲が完成したのです。
曲名であり、歌詞の象徴でもあるイニシャル「M」。ネット上やファンの間では長年「有名ミュージシャンではないか」「業界関係者ではないか」といった様々な憶測が飛び交いました。しかし、富田京子本人がメディアで公言している通り、モデルとなったのは当時交際していた一般男性のイニシャルです。実在する特定の個人に向けられた純粋な別れの手紙であったからこそ、30年以上を経ても色褪せない真実の重みが宿っています。