海外尊厳死のリアル2026|スイス渡航の条件・費用と法制度の真相
世界の尊厳死を巡る情勢は、法制化の拡大と制度運用の見直しという双方向の動きを見せています。
欧州では、イギリス(イングランドおよびウェールズ)において終末期患者の自死幇助を認める「終末期成人法案」が議会で本格的な審議入りを果たし、伝統的に慎重姿勢を崩さなかったフランスでも大統領主導による終末期選択法案の議論が佳境を迎えています。
一方、制度が定着した国々では「歯止め」を巡る議論が再燃しています。カナダのMAID制度では、身体疾患を伴わない「精神疾患のみ」を理由とする自死幇助の適用開始について、医療界や人権団体からの懸念を受けて議会が延期措置を講じるなど、適用の境界線を巡る調整が続いています。
さらにスイス国内では、3Dプリンターで作られた自死カプセル「サルコ(Sarco)」の使用を巡り、当局が安全性や薬事法上の観点から一時的な差し止めや関係者の聴取を行うなど、テクノロジーの進化に伴う新たな法規制の整備が喫緊の課題として浮上しました。自死を個人の権利としてどこまで保障し、社会としていかに乱用を防ぐかというバランスの模索が続いています。