ペンギン肉は本当にまずい?南極探検隊の壮絶食レポと味の真相に迫る
人類がペンギンを最も頻繁に食していたのは、19世紀末から20世紀初頭にかけての「南極探検の英雄時代」です。補給が完全に途絶えた極寒の地で、探検家たちにとってペンギンの肉は壊血病を防ぐ生命線でした。
ベルギーの探検家フレデリック・クック(1897〜1899年ベルギカ号探検隊)は、手記の中でペンギン肉の味を次のように克明に記録しています。
「もし牛肉と、匂いの強いタラ、野生の鴨肉を鍋に入れ、血と肝油をソースにして一緒に煮込んだ料理を想像できるなら、ペンギンの肉の味が完璧に再現できるだろう」
また、船が氷に阻まれ絶望的な漂流生活を強いられたアーネスト・シャックルトン率いる帝国南極横断探検隊の記録でも、アデリーペンギンやコウテイペンギンは重要な食糧でした。彼らは肉を細かく刻んでスープに入れたり、揚げ焼きにしたりして空腹を満たしていました。初期にはその生臭さに辟易した隊員たちも、飢餓と寒さの極限状態では「脂の乗った極上のステーキ」として貪るようになったと書き残されています。