砂肝の焼き加減はピンクでも安全?生焼けを見抜くプロの火入れ術
砂肝を劇的においしく、かつ生焼けのリスクなしに焼き上げるための最大の急所が「下処理」です。砂肝のパックを観察すると、左右にぷっくりと膨らんだ2つのコブ(山)があり、表面の一部が青白く光る硬い膜で覆われているのが分かります。この青白い膜が「銀皮(ぎんぴ)」と呼ばれる強固な筋膜です。
銀皮は加熱しても柔らかくならず、そのまま焼くと非常に硬いスジとして口に残るだけでなく、熱による収縮率が筋肉部分と異なるため、加熱中に肉が不規則に歪んで熱が均一に通らなくなる原因を作ります。下処理には大きく分けて「銀皮を削ぎ落とす方法」と「切り込みを入れて活かす方法」の2通りが存在します。
1. 2つのコブを切り離す基本カット
砂肝の中央にある白く薄い窪み(結合部)に包丁を入れ、左右のコブを2つに切り分けます。これにより、均一な厚みのブロックが2個完成し、熱の通りが劇的に揃いやすくなります。
2. 銀皮を完全に取り除く方法(極上の柔らかさを求める場合)
平らな面を下にして置き、側面の青白く光る銀皮の端に包丁の刃先を当てます。魚の皮を引く要領で、包丁の刃をわずかに外側に向けながら、まな板に押し付けるようにして薄く削ぎ落とします。銀皮を取り除いた砂肝は驚くほど柔らかく、サクッと噛み切れる上品な食感に仕上がります。なお、削ぎ落とした銀皮は捨てずに、ポン酢和えやネギ炒めにすれば絶品のおつまみになります。
3. 銀皮を残して切り込みを入れる方法(野趣あふれるコリコリ感を活かす場合)
銀皮を削ぐのが面倒な場合や、居酒屋風のしっかりした噛みごたえを楽しみたい場合は、銀皮をつけたまま深さ半分まで細かくスリット(隠し包丁)を入れるのがプロの裏技です。コブの丸みを帯びた銀皮側に、2〜3mm間隔で包丁の刃を縦横に格子状、あるいは平行に浅く切り込みを入れます。この切り込みがあることで、筋膜の張力が断ち切られて肉が縮むのを防ぐとともに、熱と油が砂肝の中心部まで一気に浸透し、生焼けの防止と加熱時間の短縮を同時に達成できます。