赤玉土と鹿沼土の決定的な違いとは?枯らさない使い分けと配合の極意

赤玉土と鹿沼土の決定的な違いとは?枯らさない使い分けと配合の極意の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

園芸店やホームセンターの店頭で「どちらを使っても大差ないのでは」と誤認されがちな赤玉土と鹿沼土ですが、地質学的な出自から化学的性質に至るまで全くの別物です。土壌化学の観点から両者を比較した際、真っ先に注目すべき要素が土壌酸度(pH値)の違いにあります。

赤玉土は、関東ローム層の火山灰土である赤土を掘り出し、乾燥・篩い分けして粒状に整えたものです。酸度はpH5.5〜6.5前後の弱酸性を示し、日本国内に自生する多くの植物や一般的な草花、花木、家庭菜園の野菜が好む土壌環境と見事に合致しています。さらに、土壌粒子の中に微細な隙間(間隙)が無数に存在する「団粒構造」を有しているため、水を蓄える保水性と、余分な水を落とす排水性のバランスが極めて優れています。植物に必要な肥料成分を吸着して保持する保肥力(陽イオン交換容量=CEC)も実用的な数値を備えており、まさに日本の園芸を支えてきた万能の基本用土といえます。

対する鹿沼土は、栃木県鹿沼地方周辺に分布する軽石質の火山砂礫(鹿沼軽石層)を原料としています。火山灰ではなく多孔質の軽石が風化したものであるため、酸度はpH4.5〜5.5前後の酸性〜強酸性に傾いています。この数値は、酸性土壌を好むツツジ科などの特殊な植物にとっては理想郷である反面、中性から弱酸性を好む一般的な植物にとっては過酷な環境です。酸度が強すぎる環境に置かれた植物は、リン酸などの必須微量要素を根から吸収できなくなり、葉の退色や根の萎縮を引き起こして最終的に枯死へと至ります。

土壌の物理性に目を向けると、鹿沼土は無数の気孔が連通した軽石構造であるため、水を含んでも空気の通り道が塞がれにくく、圧倒的な排水性と通気性を発揮します。粒の内部まで水分が浸透する一方で、粒子間の水切れは極めてスムーズです。この「弱酸性で保水・保肥力重視の赤玉土」と「酸性で排水・通気性重視の鹿沼土」という根源的な特性の差こそが、栽培の成否を分ける分岐点となります。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。