「あちら側」を見てきた人々:科学が迫る「死後の世界」の境界線
さらに踏み込んだ仮説も登場している。ノーベル物理学賞を受賞したロジャー・ペンローズ博士らが提唱する「量子脳理論(Orch-OR理論)」だ。この説によれば、人間の意識は脳細胞の中にある「微小管」と呼ばれる構造体における量子プロセスから生じているという。
心臓が止まり、脳の機能が失われると、この微小管に蓄えられていた量子情報(=意識)は宇宙空間へと放出される。そして、蘇生措置によって心臓が再び動き出すと、情報は再び脳へと戻ってくる。このプロセスこそが臨死体験の実態ではないかというのだ。もしこの仮説が正しければ、私たちの意識は脳という物質的な枠組みを超えて存在する、宇宙の一部ということになる。