宇多田ヒカルの「衝撃」はなぜ色褪せないのか?世界が再び熱狂する初期衝動の正体
「最後のキスはタバコの flavor がした」
この有名なフレーズに代表されるように、彼女の書く歌詞は説明的ではない。シチュエーションを切り取り、聴き手の脳裏に映像を浮かび上がらせる。当時、多くの作詞家やクリエイターが「10代の少女にこの言葉選びができるのか」と驚愕した。
背伸びをした言葉遣いではない。日常のふとした瞬間に潜む孤独や切なさを、極めてパーソナルな視点から切り取る。その私小説的なリアリティが、世代を超えて聴き手の胸に突き刺さったのだ。