Scp-087吹き抜けた階段の底に潜む怪異と第4次探査の真相
SCP-087と名付けられたこのオブジェクトの構造は、極めて単純でありながら逃げ場がない。踏面はおよそ38度。13段ごとに半円形の踊り場が反転し、終わりなく下層へと連なる。一切の窓はなく、外部電源の光は闇に喰われ、被験者の視界はわずか数段先で途切れる。
探索者の神経をじわじわと削るのは、下層推定200メートル付近から届く「幼い子どもの泣き声」だ。どれほど階段を降りても、音源との距離は一切縮まらない。歩調を速めようと、立ち止まろうと、泣き声は常に一定の深度から鼓膜を揺さぶり続ける。ジャンプスケアのような瞬間的な脅威ではなく、逃げ場のない空間でじわじわと理性を侵食していくサイコロジカルホラーの極致がここにある。