探偵物語の工藤ちゃんはなぜ永遠なのか?松田優作の美学と最終回の真相
工藤俊作を語る上で欠かせないのが、徹底的に計算されたビジュアルと小道具のセレクトです。画面に映るすべてのアイテムが、彼の生き様を雄弁に物語っています。
トレードマークとなったのが、街中を軽快に駆け抜ける白いスクーター「ベスパ(Vespa 150GS)」です。当時、大排気量の大型バイクが主流だったハードボイルド作品の中で、あえてイタリア製のベスパを選んだセンスは極めて斬新でした。スーツ姿でベスパにまたがり、ステップに長い足を窮屈そうに乗せて走る姿は、工藤ちゃんを象徴するアイコニックなシルエットとなっています。
さらに、愛用したカルティエのライター(火力が極端に高く改造され、火をつけるたびにボッと大きく燃え上がるギャグ演出)や、黒や紺のジャケットにヴィヴィッドな赤や青のオープンカラーシャツ、サスペンダー、そして頭に載せたボルサリーノのソフト帽。これら「工藤ちゃんファッション」は、ストリートカルチャーやモードの文脈からも今なお熱いリスペクトを受け続けています。