皇太子徳仁親王が歩んだ革新の軌跡と皇室外交の未公開エピソード
英国留学時代、オックスフォード大学マートン・カレッジの寮で自ら洗濯機を回し、同世代の学生たちと膝を突き合わせて議論を交わされた日々は、皇室の歴史においても極めて特筆すべき章である。若い時期に深めた学問への対峙は、単なる個人的な趣味の域を大きく超えていた。学習院大学時代から継続して取り組まれた中世日本の水運史研究は、やがて地球規模の「水運史・水問題研究」へと発展していく。
水は命の源であり、文明の交差点でもある。文献を徹底的に精査し、自らフィールドワークに足を運ぶ姿勢はまさに一人の研究者そのものであった。名誉職としての関与にとどまらず、自著の学術書を上梓し、世界の水問題サミットで英語による基調講演を行うほどの高い専門性は、国内外の専門家を驚嘆させた。研究室で古い図面と何時間も向き合っていた当時のエピソードは、華やかな公務の裏にある地道で誠実な人柄を物語っている。