ホットペッパーポイント利用は嫌がられる?店側の本音と手数料の真相

ホットペッパーポイント利用は嫌がられる?店側の本音と手数料の真相とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

飲食店にとってポイント利用客がどれほどの経営的インパクトを与えるのか、具体的な数値データで可視化しました。一般的な居酒屋およびカフェレストランをモデルケースとし、通常予約、ポイント併用のディナー、低単価ランチの3パターンで店舗の「手残り利益」を比較します。

項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価ディナー通常予約
(客単価4,500円/人)・粗利(原価32%):3,060円
・送客手数料:▲220円
・当日現金回収:4,500円
・営業利益:約1,130円FL比率(原価+人件費)約60%前後の標準水準店舗にとっては最も健全な収益構造。送客手数料を支払っても十分な利益が確保できる優良パターン。ディナー2,000pt利用
(客単価4,500円/人)・粗利(原価32%):3,060円
・送客手数料:▲220円
・当日現金回収:2,500円
・営業利益:約1,130円最終利益額は同等だが、2,000円分は翌月以降の振込利益自体は減らないものの、現金回収比率が下がるため、月末の仕入れ支払いが立て込む時期には心理的負担が増加。ランチ1,000pt全額利用
(客単価1,000円/人)・粗利(原価38%):620円
・送客手数料:▲110円
・当日現金回収:0円
・営業利益:約▲30円〜50円薄利多売前提のランチ営業。人件費按分で容易に赤字化最も嫌がられる典型例。回転率を落とした上に利益が残らず、手数料だけが引かれるため現場の疲弊感が極めて高い。

飲食店の損益構造において重視されるのが、売上に占める食材原価と人件費の割合を示す「FL比率(Food & Labor)」です。業界標準として健全とされるFL比率は55%〜60%程度ですが、ランチ帯の単品提供では食材原価率が40%近くまで跳ね上がるケースが珍しくありません。

表の数値が示す通り、客単価が高いディナーであれば、ポイントを利用されても最終的な営業利益率は維持されます。問題は、客単価が1,000円前後の低価格帯利用です。予約送客手数料が売上の10%以上を占める計算となり、家賃や光熱費の固定費を按分すれば、そのテーブル単体での収支は事実上の赤字に転落します。現場の店長や個人店主がポイント利用に身構えてしまう背景には、こうした冷徹な算術の現実があります。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。