世界を呑む日本男子バレー、独占取材で見えた石川・髙橋の新戦術

世界を呑む日本男子バレー、独占取材で見えた石川・髙橋の新戦術にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

イタリア・セリエAでキャプテンやエースとして異彩を放ち続ける石川祐希と、攻守両面で世界最高峰の完成度を誇る髙橋藍。二人がコートにもたらしたのは、単なる個人の得点力ではない。代表合宿の現地取材で目撃したのは、相手ブロッカーの視線を完全に欺く「ハイブリッド・オフェンス」の徹底的な練成だ。

セッターのトスが上がる前のわずか0.3秒。石川祐希がバックアタックの助走フェイクを入れつつ、髙橋藍がインサイドから斜めに切り込む。相手のリードブロックが中央に引きつけられた瞬間、サイドへ高速トスが散らされる。取材陣に石川が語った言葉が印象的だ。「相手を見てから動くのでは遅い。相手の思考を誘導して、こちらの描いたグリッドにハメる。それが僕たちの戦い方です」。

独自に入手したトラッキングデータによれば、昨シーズンと比較してバックアタックの打点侵入速度が約8%向上。さらに、相手ミドルブロッカーのジャンプタイミングを0.15秒狂わせることに成功している。個々の身体能力を補って余りある戦術の精密機械化。これこそが、世界屈指のブロック壁を無力化する最大の武器となっている。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。