二・二六事件で散った陸軍大将・渡辺錠太郎が遺した最期の真実

二・二六事件で散った陸軍大将・渡辺錠太郎が遺した最期の真実の全貌を詳しく解説してご紹介します。

東京・杉並の上井草にあった私邸を、完全武装した反乱部隊が包囲したのは午前6時前後のことだった。降り積もる雪を踏みしめる軍靴の音とともに、静寂は突如として破られた。安田優少尉や高橋太郎少尉らが率いる部隊は邸内に乱入し、容赦ない銃撃戦が展開された。

寝室から身を起こした将軍は、異変を察知して即座にピストルを構えた。しかし、襲撃者たちが持ち込んだ軽機関銃と多数の小銃の前には、あまりにも衆寡敵せずであった。数十発の弾丸が狭い室内を飛び交い、壁や障子を粉々に引き裂いた。軍の規律を何よりも重んじた司令官が、自らが教育したはずの兵士たちによって無差別に蜂の巣にされるという皮肉。帝都が戒厳令の闇に包まれるなか、陸軍重鎮の命はあまりに無残に散っていった。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。