絵本『だるまさんが』なぜ赤ちゃんが笑う?魅力と読み聞かせの極意
『だるまさん』シリーズの生みの親である絵本作家・かがくいひろし(本名:篝寛史)氏は、50歳で作家デビューを果たした遅咲きの奇才でした。ブロンズ新社から刊行された本作がミリオンセラーを記録する中、2009年に急逝されましたが、氏が残した作品群は2026年の今なお色褪せない輝きを放っています。
かがくい氏の創作の原点には、28年間にわたる特別支援学校教諭としての現場経験があります。障がいを抱え、言葉によるコミュニケーションが難しい子どもたちと日々向き合う中で、「どうすれば言葉の壁を超えて心を通わせ、笑顔にできるか」を追求し続けた経験が、だるまさんの柔らかなフォルムやリズミカルな動きへと昇華されました。
教員時代に人形劇や教材を手作りしていた経験から生まれたその絵は、まるで粘土やクッションのように柔らかく、温かみのある質感が特徴です。頭で考えた理屈ではなく、子どもの身体感覚に直接訴えかける表現だからこそ、世代や国境を超えて多くの子どもたちを惹きつけてやみません。