消費期限切れはいつまで平気?専門家が明かす判断基準と保存術
視点を食卓から社会全体へと広げると、消費期限は産業構造のひずみを映し出す鏡でもある。2019年に施行された食品ロス削減推進法を皮切りに、国内の食品産業は大量廃棄の是正を迫られてきた。
とりわけ過酷な舵取りを強いられているのが、スーパーやコンビニエンスストアなどのリテール業界だ。消費期限が迫った商品は値引きシールの対象となるが、それでも売り切れなければ廃棄処分となる。サプライチェーンの各段階で発生するフードロスを抑えるため、農林水産省の主導により、製造から納品、販売までの期間を等分する「3分の1ルール」の見直しや、AIを活用した需要予測発注が急速に進められている。
販売現場では、ダイナミックプライシング(変動価格制)やデジタルサイネージを用いた売り切り施策が普及し始めた。だが、どれほど技術が進化しようとも、最終的に消費者の手元に届いた後の管理まではコントロールできない。サプライチェーンの努力を家庭での廃棄で水泡に帰させないための、末端でのリテラシーが求められている。