Ai全盛の2026年に「手描き」を選ぶ若者たち。東京藝大合格の登竜門が示す、人間だけの表現領域
いま予備校に通う世代は、幼少期からスマホやタブレットに親しんできたデジタルネイティブだ。画面をタップすれば一瞬で色が変わり、アンドゥ(やり直し)も簡単。そんな彼らにとって、一度塗ったら引き返せない油絵の具や、手が真っ黒になる木炭は、極めて不自由なメディアである。
しかし、その不自由さこそが脳を刺激する。思い通りにならない絵の具の粘度、紙の凹凸と鉛筆の摩擦。思いがけない「失敗」から新しい表現が生まれる瞬間を、彼らは身体感覚を通して学んでいく。デジタル画面の中にはない、リアルな物質との格闘がそこにはある。