デヴィッド・ボウイを魅了した伝説のスタイリスト高橋靖子の軌跡
高橋靖子の美学は、日本の音楽シーンの地殻変動をも牽引した。1970年代末、細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人によって結成されたYellow Magic Orchestra (YMO)の象徴である「赤い人民服」とテクノカット。この大胆不敵なヴィジュアル・コンセプトの具現化にも、彼女の鋭い感性が息づいている。
オリエンタリズムを逆手に取り、近未来的なシンセサイザー・サウンドとアイロニカルに結合させたあのスタイルは、欧米のオーディエンスに強烈なカルチャーショックを与えた。音と視覚を完璧にシンクロさせ、世界基準のポップ・アートへと昇華させる手腕。高橋靖子は、YMOという革新的な音楽現象をヴィジュアル面から世界へ羽ばたかせた最大の共犯者の一人だった。