無気肺とは?術後に多発する原因と初期症状・治療と予防の全貌

無気肺とは?術後に多発する原因と初期症状・治療と予防の全貌の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

無気肺の広がりが肺の一部(亜区域レベル)にとどまる軽症例では、自覚症状がほとんど現れないことも珍しくありません。しかし、虚脱範囲が拡大するにつれて、明確な身体所見とバイタルサインの異常が出現します。

見逃してはならない初期症状は、術後24〜48時間以内にみられる37℃台後半から38℃前後の発熱、安静時の呼吸数増加(20回/分以上)、そしてパルスオキシメーターで測定する経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の低下です。患者自身は「少し息苦しい」「胸に何かが詰まっている感じがする」と訴えることが多く、重症化するとチアノーゼや頻脈、血圧変動を伴います。

確定診断や重症度判定において決定的な役割を果たすのが、聴診と画像検査です。医師や看護師が胸部にステート(聴診器)を当てた際、無気肺の好発部位である背側下肺野を中心に聴診音の異常(患側の呼吸音減弱または消失)が明瞭に捉えられます。また、狭窄した気道を通る際に生じる「プチプチ」「パチパチ」という断続性ラ音(クラックル)が聴取されるケースもあります。

胸部X線検査(レントゲン)を実施すると、空気が抜けて密度の高くなった肺組織が白く写る「均一な浸潤影・透過性低下」が観察されます。さらに、肺の体積が減少した結果として、縦隔や気管が患側(病変側)へ引っ張られる牽引所見や、横隔膜の異常挙上、肋間腔の狭小化といった特徴的なレントゲン所見が確認されます。

項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価好発時期全身麻酔手術後24〜48時間以内術後3日以降は肺炎併発が増加術直後からの呼吸管理が成否を分ける最重要フェーズ。SpO2(酸素飽和度)90〜93%以下へ急落(室内気)正常値:96〜99%酸素投与を行っても改善が鈍い場合は広範な虚脱を疑う。主要な聴診所見患側下肺野の呼吸音減弱・消失左右差のない清音な呼吸音背側の丁寧な聴診が早期発見の最大の武器となる。胸部レントゲン所見浸潤影、横隔膜挙上、気管・縦隔の患側偏位肺野全体が黒く均一に透過胸水や肺炎との鑑別診断において構造偏位の確認が必須。
井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。