無気肺とは?術後に多発する原因と初期症状・治療と予防の全貌
無気肺の広がりが肺の一部(亜区域レベル)にとどまる軽症例では、自覚症状がほとんど現れないことも珍しくありません。しかし、虚脱範囲が拡大するにつれて、明確な身体所見とバイタルサインの異常が出現します。
見逃してはならない初期症状は、術後24〜48時間以内にみられる37℃台後半から38℃前後の発熱、安静時の呼吸数増加(20回/分以上)、そしてパルスオキシメーターで測定する経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の低下です。患者自身は「少し息苦しい」「胸に何かが詰まっている感じがする」と訴えることが多く、重症化するとチアノーゼや頻脈、血圧変動を伴います。
確定診断や重症度判定において決定的な役割を果たすのが、聴診と画像検査です。医師や看護師が胸部にステート(聴診器)を当てた際、無気肺の好発部位である背側下肺野を中心に聴診音の異常(患側の呼吸音減弱または消失)が明瞭に捉えられます。また、狭窄した気道を通る際に生じる「プチプチ」「パチパチ」という断続性ラ音(クラックル)が聴取されるケースもあります。
胸部X線検査(レントゲン)を実施すると、空気が抜けて密度の高くなった肺組織が白く写る「均一な浸潤影・透過性低下」が観察されます。さらに、肺の体積が減少した結果として、縦隔や気管が患側(病変側)へ引っ張られる牽引所見や、横隔膜の異常挙上、肋間腔の狭小化といった特徴的なレントゲン所見が確認されます。