びらんとは?潰瘍との決定的な違いや原因・症状・放置リスクを徹底解説
日常会話ではあまり馴染みのない「びらん(糜爛)」ですが、びらんの医学用語としての意味は、皮膚の表皮や消化管・生殖器などの粘膜上皮が欠損し、下層の組織が赤く露出した「浅いただれ」を指します。漢字の「糜」は煮崩れること、「爛」はただれることを意味しており、組織の表面が擦りむけた状態を表しています。
臨床において最も頻繁に質問を受けるのが、びらんと潰瘍の違いです。両者を分ける絶対的な境界線は「損傷がどの深さまで達しているか」という解剖学的な深度にあります。
皮膚や粘膜は外側から順に重層構造を形成しています。損傷が一番外側の表皮や粘膜上皮層にとどまり、基底膜や粘膜筋板を越えていない状態が「びらん」です。表層のみの損傷であるため、適切な処置を行えば瘢痕(傷跡)を残さずに元のきれいな組織へ完全再生します。これに対し、組織の深い層(皮膚の真皮・皮下組織、消化管の粘膜下層・固有筋層)までえぐれて欠損した状態を「潰瘍」と呼びます。潰瘍は治癒しても繊維化による引きつれや白い傷跡が残る点が特徴です。