世界一難しい漢字の全貌!総画数84画「たいと」や100画超の真相

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漢字の難しさを測る代表的な指標が「画数」です。日本および中国の漢字史を紐解くと、常識を遥かに凌駕する超多画数文字が記録されています。

日本国内で編纂された辞書において、事実上「世界一画数が多い漢字」として広く認知されているのが、総画数84画の国字「たいと(おとど・だいと)」です。この文字は、「雲」を3つ冠に並べ(䨺=たい)、その下に「龍」を3つ並べた(龘=とう)構造を持っています。日本最大級の漢和辞典である『大漢和辞典』(諸橋轍次編、大修館書店)の補遺版にも採録されており、文字の意味としては「雲が棚引き、龍が天に昇るさま」を表すとされています。

一方、中華圏に目を向けると、料理名として世界的な知名度を獲得した「ビャンビャン麺」の漢字(56〜58画)が中国で最も複雑な漢字の代表格として挙げられます。陝西省西安市発祥の幅広麺を指すこの文字は、穴・言・糸・長・馬・月・刂・心・辶(しんにょう)など多数の部首が複雑怪奇に組み合わさっています。現地では書き順を覚えるための伝承歌(覚え歌)が存在し、「一点飛上天、黄河両道彎……(一点天に飛び、黄河二道曲がる)」といった口訣によって親から子へと書き方が口承されてきました。

さらに学術的な文献や民俗資料を遡ると、総画数100画以上の漢字も確認されています。代表的なものが、中国の道教において悪霊退散や雷神召喚のために用いられた「符讖(ふしん・呪符)」文字です。「雷」や「鬼」「龍」の文字を極限まで重ね合わせたもので、128画や160画に達する図象的文字が『古文四声韻』や道蔵などの文献に残されています。ただし、これらは日常言語としての文字というよりは宗教的シンボル(呪符)の性質が強く、ギネス記録や学術的な標準文字体系においてどこまでを「1つの漢字」として認定するかは研究者の間でも議論が分かれています。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。