福岡市立こども病院の評判と移転の真相|受診前に知るべき全知識
今でこそ東区香椎照葉(アイランドシティ)のランドマークとして定着した福岡市立こども病院ですが、その背景には福岡市政を揺るがせた激しい移転を巡る経緯があります。
旧こども病院は1980年、福岡市中央区唐人町に開設されました。地下鉄唐人町駅から徒歩圏内という圧倒的な交通利便性を誇り、長年市民に愛されてきましたが、施設の老朽化と敷地の狭隘化が深刻化。建替えか移転かの議論がスタートしました。当時浮上したのが、造成が進んでいた人工島・アイランドシティへの移転計画です。
この計画に対し、当時は医師会の一部や市民団体、野党系議員から激しい反発が巻き起こりました。「埋立地ゆえに地震時の液状化や津波、孤立のリスクがある」「都心部から離れ、公共交通でのアクセスが悪化する」といった批判が相次ぎ、移転の是非は市長選挙の最大争点にまで発展しました。
転機となったのは2010年、現市長の就任に伴う第三者委員会による再検証でした。検証の結果、唐人町での現地建替えは工事期間中の診療制限が生じ、極小未熟児や人工呼吸器管理下の患児の安全を担保できないこと、アイランドシティであれば広大な敷地を確保し、ヘリポートの整備や周産期医療センターとの統合拡張が可能であることが示されました。地盤対策を強化した上で、2014年11月に新天地での開院に至ったのが「移転の真相」です。
一方、中央区唐人町の跡地の現在については、長らく市民の関心事でした。敷地は約2ヘクタールに及び、福岡市による公募売買を経て民間事業者へ譲渡。現在は特別養護老人ホームやシニア向け住宅、メディカルモール、認可保育施設などが整備された「世代間交流複合拠点」として再生を遂げています。都心部の住宅地という立地特性を活かし、旧こども病院のDNAを福祉・医療の形で継承しています。