中曽根康弘の功罪と真相|民営化とロン・ヤス外交が遺した光と影
類まれな読書家であり、俳人(俳号:青斬)としても知られた中曽根は、言葉の力を極めて重視した政治家でした。彼が残した数々の名言・格言は、現代のビジネスリーダーや政治家にとっても重い示唆を含んでいます。
「政治家は歴史の法廷に立つ被告である」
この言葉は中曽根の政治信条を最も象徴する名言です。目の前の世論調査の支持率やマスメディアの批判に一喜一憂するのではなく、50年後、100年後の歴史の審判に耐えうる政策を打つべきだという覚悟を示しています。国鉄民営化という猛反発を伴う大改革を押し通した背景には、この歴史観がありました。
また、権力の本質について語った以下の格言も広く知られています。
「首相の権力は大きいが、それは手持ちのトランプと同じだ。切ってしまえばそれでおしまいになる。見せないで持っているところに力がある」
変幻自在の現実主義者として「風見鶏」の汚名を甘受しながらも、国家観という太い背骨を失わなかった中曽根康弘。そのリアリズムに徹した権力観と言葉の重みは、混迷を深める現代の政治状況において、リーダーの胆力とは何かを改めて問いかけています。