亡くなった人の預金をおろすには?凍結解除の手順と勝手な引き出しの罠についての真相をお届けします。
亡くなった人の預金引き出しを正式に進めるためには、口座凍結解除手続きを行わなければなりません。手続きのフローは「遺言書の有無」および「遺産分割協議を行うかどうか」によって大きく3つに分岐します。
手続きのパターン詳細・必要書類一般的な所要期間編集部の見解・実務難易度① 遺言書がある場合・遺言書(公正証書遺言または検認済みの自筆証書遺言)
・遺言者の死亡記載のある戸籍謄本
・受遺者/遺言執行者の印鑑証明書と戸籍謄本書類提出から約1〜2週間【難易度:低】
他の相続人の署名押印が不要なため、最も迅速かつ円滑に解約可能。② 遺産分割協議書を作成する場合・遺産分割協議書(実印押印)
・被相続人の出生から死亡までの連続した全戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本および印鑑証明書協議成立後、書類提出から約2〜4週間【難易度:中〜高】
全員の合意形成と戸籍収集に時間がかかるが、財産トラブルの再発を防ぐ標準的な手法。③ 法定相続分で解約・名義変更する場合・金融機関指定の相続届(全員実印押印)
・被相続人の出生から死亡までの全戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書書類提出から約2〜3週間【難易度:中】
協議書は不要だが、法定相続人の同意と印鑑証明書が全員分揃わなければ一切進まない。④ 預貯金の仮払い制度を利用する場合・仮払い請求書
・被相続人の出生から死亡までの全戸籍謄本
・請求者の戸籍謄本および印鑑証明書窓口申請から約1〜2週間【難易度:中】
他の相続人の同意なしで引き出せるが、150万円の上限と事後精算の義務が伴う。
死亡後の銀行口座手続き必要書類を準備する際、最も時間を要するのが被相続人の戸籍謄本収集です。故人が生まれてから亡くなるまでのすべての改製原戸籍や除籍謄本を取り寄せることで、認知した子や前婚の子など、法律上の相続人を1名の漏れもなく特定しなければ金融機関は審査を通しません。本籍地が遠方にある場合でも、最寄りの市区町村窓口で全国の戸籍謄本を一括請求できる「広域交付制度」を活用すれば取得期間を大幅に短縮できます。
また、相続財産の総額を確定させるために、解約手続きと並行して預金残高証明書の発行方法を確認し、死亡日時点(相続開始日)の残高証明書および既経過利息計算書を各金融機関から取得することが欠かせません。