未来都市開発の現在地|ウーブンシティの実態とスマートシティ最前線
静岡県裾野市の旧トヨタ自動車東日本東富士工場跡地で進むトヨタ ウーブンシティ 現在の進捗は、国内外の都市工学関係者から熱い視線を集めています。約70.8万平方メートルの敷地のうち、先行して整備された「第1期エリア(フェーズ1)」では、地上3層・地下1層に分かれた重層型の道路インフラが姿を現しました。
ウーブン・シティの最大の特徴は、道路を用途別に完全分離している構造設計にあります。
- 地上レベル1:自律走行モビリティ(e-Paletteなど)専用の幹線道路
- 地上レベル2:歩行者とパーソナルモビリティ(電動キックボードやシニアカー)が共存する遊歩道
- 地上レベル3:歩行者専用の公園内通路
- 地下レベル:自動搬送ロボットや燃料電池を活用した物流専用ネットワーク
関係者への取材や公開情報によると、現地では初期住民となるトヨタのエンジニアや実証パートナー企業のスタッフ、その家族を含めた数十人〜数百人規模のテスト居住が開始され、生活ログと生体データの取得が24時間体制で行われています。住宅内部にはセンサーとAIアシスタントが張り巡らされ、居住者の健康状態のモニタリングや家電の自動制御、地下からの無人物流システムによる荷物配送テストが日常的に繰り返されています。
現地を視察した専門家からは「SF映画のセットではなく、極めて泥臭いデータ収集の実験場」という評価が聞こえます。完全自動運転車の走行テストでは、雨天時のセンサー誤認識や急な飛び出しへの対応など、実験室では再現できない実環境ならではの課題が日々洗い出されており、トヨタはこのリアルなテストベッドを通じて得た知見を、次世代車両のソフトウェアプラットフォーム「Arene(アリーン)」へと直接フィードバックさせています。