Y型ストレーナーの正しい向きと構造|失敗しない選定と清掃の極意
配管の異物除去フィルターとして最も普及しているY型ストレーナーは、主流路に対して斜め約45度の角度でスクリーン室が分岐した「Y字型」のボディ構造を持っています。
内部には円筒状の多孔プレート(パンチングメタル)または金網スクリーンが内蔵されており、流体がスクリーンを通過する際に異物を捕捉します。捕捉されたゴミはスクリーン室内部に蓄積され、下部のキャップやフランジカバーを取り外すことで外部へ排出できる仕組みです。
現場で最も頻発するトラブルが「設置向きの誤認」です。ストレーナーの性能を正しく発揮させるためには、以下の原則を厳守しなければなりません。
第一に、本体鋳出しの矢印(流向表示)と流体の流れを完全に一致させることです。逆向きに取り付けると、スクリーンの外側に異物が堆積し、エレメントが内側へ押し潰されて破断する重大事故に直結します。
第二に、水平配管および垂直配管における角度の厳守です。
- 水平配管への設置:スクリーン部を必ず「真下」または「斜め下」に向けて設置します。上向きに設置すると、捕集した異物が主流路側へ逆流し、ストレーナーとしての役割を果たせなくなります。ただし、蒸気ラインに設置する場合は、スクリーン内にドレン(復水)が溜まってウォーターハンマーを引き起こすのを防ぐため、スクリーン部を「水平方向(横向き)」に倒して配置するのが定石です。
- 垂直配管への設置:流体が「上から下へ」流れる配管にのみ設置可能です。流体が「下から上へ」流れる垂直ラインに設置すると、捕獲した異物がスクリーンのポケットに留まらず、重力で下流配管へ沈降・逆流してしまい、ポンプや弁の噛み込み事故を誘発します。