白馬岩岳山の奇跡!衰退危機からV字回復した絶景リゾートの真実
1980年代から90年代にかけて、学生スキー大会のメッカとして名を馳せた白馬岩岳。しかし、国内のスキー・スノーボード人口がピーク時の約3分の1へと縮小する過程で、経営環境は一変しました。冬の売上のみに依存する旧来型のスキー場経営は限界を迎え、夏季のグリーンシーズンに至っては年間来場者数が約2.5万人まで落ち込み、設備の維持すら危ぶまれる撤退瀬戸際まで追い詰められていたのです。
この絶望的な状況を打破したのが、2017年にリゾート運営トップに就任した和田寛氏(現・株式会社岩岳リゾート代表)による抜本的な事業構造改革でした。ビジネス誌や経済特番の取材記録において、同氏は「スキー客を取り戻そうとするのではなく、これまで山に興味がなかった9割の一般層に選ばれるマウンテンリゾートへ脱皮する」と当時の危機感を振り返っています。
旧来の索道事業者(リフト・ゴンドラ運行会社)は、山頂を「滑り降りるためのスタート地点」としてしか認識していませんでした。これに対し、岩岳リゾートは山頂エリアそのものを「人々が心地よく滞在し、北アルプスの圧倒的なパノラマを五感で楽しむ目的地」へと再構築。2018年秋にオープンさせた絶景テラスHAKUBA MOUNTAIN HARBORを皮切りに、白馬三山(白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳)を一望できる開放的な空間演出を連続的に仕掛けました。
結果として、グリーンシーズンの来場者数は右肩上がりに急伸し、2026年代には夏季だけで20万人を突破。かつては冬季が売上の大半を占めていたリゾートが、いまや年間収益の過半を非雪上アクティビティと展望飲食で生み出すという、日本のレジャー産業でも類を見ないV字回復のモデルケースを確立しました。