ブロマイドとは?生写真との違いや語源・サイズ・推し活活用術を徹底解剖
日常的に使われている「ブロマイド」という言葉ですが、そのルーツは写真黎明期における化学技術の専門用語にあります。19世紀後半、イギリスの感光材料メーカーであるイルフォード社などが、臭素と銀の化合物質である「臭化銀(Silver Bromide)」を感光剤として塗布した高感度印画紙を実用化しました。これが写真業界で「ブロマイドペーパー(Bromide paper)」と呼ばれたことがすべての始まりです。
当時、白黒写真を美しく高階調で焼き付けることができるブロマイドペーパーは画期的な発明であり、日本にも明治末期から大正時代にかけて輸入され始めました。この印画紙を用いて、日本で初めて商業的なスター肖像写真を大々的に売り出したのが、1921年(大正10年)に東京・浅草で創業した老舗「マルベル堂」です。マルベル堂は歌舞伎役者や活動写真(映画)の俳優、オペラ歌手らのポートレートを自社撮影し、ブロマイドペーパーに焼き付けて店頭販売を開始しました。
当時、憧れのスターの姿を鮮明な手元サイズで所有できるメディアは他に存在せず、マルベル堂の写真は大爆発的なヒットを記録しました。この時、同社が製品を「プロマイド(Promide)」という商標的な呼び名で展開したことも手伝い、一般大衆の間で「ブロマイド=有名人・スターの商業写真」という認識が完全に定着したのです。つまり、本来は単なる「印画紙の素材名」だった化学用語が、時代を経て「ファン向け肖像写真グッズ」を指すカルチャー用語へと昇華したのがブロマイドの正体です。