はだいろクレヨンはなぜ消えた?改称の真相と現在の呼び方を追う
クレヨンや色鉛筆の色名変更は、1990年代末から2000年代初頭にかけて急速に進みました。先陣を切ったのは大手文具メーカーのぺんてるです。
ぺんてるは1999年、国際規格や海外展開との整合性を考慮し、該当する色名を英語表記に基づいた「ペールオレンジ(pale orange)」へと改称しました。当時、海外輸出向け商品ではすでに同様の対応が行われており、国内向け商品もこれに統一する形をとった経緯があります。
続いて2000年には、サクラクレパスとトンボ鉛筆が相次いで改称を発表しました。両社が採用したのは、より直感的でわかりやすい日本語表現である「うすだいだい(薄橙)」でした。サクラクレパスは「クレパス」や「クーピーペンシル」、トンボ鉛筆は学童用色鉛筆などで一斉にパッケージ表記を切り替え、教育現場へ浸透させていきました。
こうした企業の動きを受け、国の標準規格も見直しを迫られます。経済産業省が主管するJIS規格(日本産業規格:JIS Z 8102「物体色の色名」)においても、2005年の改正時に慣用色名から「肌色」が正式に削除され、公的な基準としても「うすだいだい」が標準的な呼び名として定着しました。