震える心臓、轟く重低音——なぜ「地上最強の男」キングの嘘に世界は熱狂し続けるのか?
怪人たちが怯み、冷や汗を流す。戦場に響き渡る謎の重低音、通称「キングエンジン」。周囲のヒーローや敵はそれを、彼が戦闘態勢に入った合図であり、死のカウントダウンだと信じて疑わない。だが実態は、ただの極度の恐怖による心臓の早打ちだ。
この勘違いの連鎖が異常なテンポ感で描かれる。キング自身は「助けてくれ」「今すぐ逃げ出したい」と心の中で悲鳴を上げているにもかかわらず、周囲の過度な神格化が彼のあらゆる言動を「深謀遠慮の境地」へと勝手に変換してしまう。言葉の一方通行が生むコントの妙味、そしてギリギリの緊張感が同居する奇跡の空間だ。