ウィーン少年合唱団の現在と真実|入団条件・変声期後の進路や来日情報

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ウィーン少年合唱団の団員にとって、避けて通れない最大の転機が「変声期(声変わり)」です。通常13歳から14歳にかけて高音が出にくくなり、合唱団の求める音域を維持できなくなった時点で、惜しまれつつも卒団の時を迎えます。

かつて一部で囁かれた「変声期を遅らせる処置をしているのではないか」という都市伝説は完全なデマであり、自然な成長過程として受け止められています。指導陣は日々の発声練習で喉の微細な変化をモニタリングし、声帯に無理な負荷がかからないよう細心の注意を払ってパートの調整や休養を命じます。

卒団した少年たちはその後、どのような人生を歩むのでしょうか。公式同窓会組織や追跡調査によると、進路は大きく3つのパターンに分かれます。

第1のルートは「プロ音楽家・舞台人への道」です。声変わり完了後にテノールやバリトン、バスの声楽家としてウィーン国立歌劇場や世界の名門歌劇場のソリストとして返り咲く者、指揮者やピアニスト、オーケストラ奏者として活躍するケースが目立ちます。合唱団で培った卓越したソルフェージュ能力と舞台度胸は、一生モノの音楽的財産となります。

第2のルートは「一般大学への進学と知的専門職」です。アウガルテン宮殿の学校はオーストリアの国家基準に基づく高水準な普通教育を行っているため、卒業生はギムナジウム上級課程を経てウィーン大学などに進学。医師、弁護士、外交官、ITエンジニア、経営者など、音楽以外の分野で国際的に活躍する人材を多数輩出しています。

第3のルートとして、卒業生有志で結成される男声合唱団「コルス・ヴィエネンシス(Chorus Viennensis)」や各種アンサンブルに参加し、大人になってもライフワークとして高水準な合唱活動を継続するコミュニティが存在します。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。