猪熊弦一郎の美意識と名作の裏側|三越包装紙からMimocaまで徹底解剖
香川県丸亀市のJR丸亀駅前に降り立つと、駅前広場に面して聳える巨大な壁画が訪れる者を圧倒します。1991年に開館した丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA / ミモカ)は、猪熊本人から寄贈された約2万点に及ぶ作品とコレクションを収蔵する、まさに猪熊芸術の総本山です。
設計を手掛けたのは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の新館設計などでも知られる世界的建築家・谷口吉生氏。駅前空間と美術館内部がシームレスに繋がる開放的なプロポーションは、「美術館は美のオアシスであり、街の玄関口であるべきだ」という猪熊の思想を完璧に具現化しています。
近年、特にSNSやカルチャー感度の高い層で社会現象となっているのが猪熊弦一郎のグッズの完成度の高さです。MIMOCAのミュージアムショップで展開されるトートバッグ、ステーショナリー、ピンバッジ、ハンカチなどは、猪熊が残したドローイングや猫のスケッチの美学を忠実にプロダクト化しており、「身につけられる現代アート」として売り切れが続出するほどの人気を誇ります。
2026年現在も、MIMOCAを中心に国内外の連携施設で新たなキュレーションによる猪熊弦一郎の展覧会(2026)が企画されており、当時のモダンデザインがいかに現代のライフスタイルやサステナブルな美意識と調和するかを再提示する試みが続いています。