東山に佇む八坂の塔!法観寺が明かす秘められた歴史と最新拝観術
外側から仰ぎ見る優美な姿とは裏腹に、塔の内部へ一歩足を踏み入れると、そこには濃密な中世の闇と木の香りが漂っている。中央を貫くのは、初層から最上層まで一本で伸びる巨大な心柱。基礎の心礎は創建当時の飛鳥時代の遺構とされ、気の遠くなるような年月の堆積をそのまま残す。
国の重要文化財に指定されているこの五重塔の内部には、大日如来を中心とする五智如来像が安置され、薄暗がりの中に荘厳な曼荼羅の世界を現出させている。京都へ拠点を移転した文化庁もその価値を高く評価する貴重な遺構群だ。階段というより梯子に近い急勾配の木製ステップを登り、2層目から見下ろす構造美は、まるで歴史文化ドキュメンタリーの映像世界に入り込んだかのような錯覚を与える。国宝・重要文化財の宝庫である京都にあっても、実際に塔の構造内部を体感できる場所は極めて稀だ。