鏡文字は発達障害のサイン?脳科学が示す原因と家庭のSos対策
なぜ子どもは、大人には思いもよらない美しい鏡文字をすらすらと書けるのだろうか。そのカギを握るのが、視覚情報を処理する空間認知能力と発達心理学が示す認知の枠組みだ。
人間を含む多くの哺乳類は、敵や獲物を察知するために「右を向いた犬」も「左を向いた犬」も同じ「犬」として認識する。これを脳科学では『鏡像一般化』と呼ぶ。生後間もない子どもの脳は、左右の反転を識別する必要性をまだ学習していないのだ。文字を学び始めると、脳の側頭葉にある言語領域が「『さ』とその鏡文字は異なる意味を持つ」と再学習を始める。この回路が完成する途上で、左右認識の混乱が生じ、結果として鏡文字が生まれる。
手先の運動機能と視覚の連動が未成熟な時期には、身体の中心線を超えて手足を動かすクロスボディの動作も難易度が高い。空間認知能力が育つにつれ、文字の方向性に対する抑制機能が働き、自然と鏡文字は消えていく。