伝統漆器の路地から世界へ。和歌山・海南市が起こす「サステナブルと歴史」の静かな革命【2026年現地ルポ】
旅の醍醐味は、その土地の「食」を置いてほかにない。海南市の下津地区は、全国的にも珍しい「蔵出しみかん」の産地だ。秋に収穫されたみかんを木造の土蔵でじっくり熟成させ、コクと甘みを最大限に引き出す伝統技法が引き継がれている。
さらに、この地を語る上で欠かせないのが地酒の存在だ。世界的な評価を高めている「紀土(Kid)」を醸す平和酒造をはじめ、地元の酒蔵は紀伊山地の豊かな伏流水を使い、繊細で透明感のある酒を造り続けている。地元の新鮮な魚介やみかんを使った料理と地酒のペアリングは、訪れた旅人の味覚を深く満たしてくれる。